スポーツ障害
スポーツにケガはつきもの。
しっかりと予防とケアをしましょう!
では、スポーツが起こす障害とはどのようなものがあるでしょうか?
障害の分類
- 【急性外傷】
- スポーツ中に強い力が加わって損傷するもの。骨折、脱臼、筋などの断裂、創傷など。
- 【慢性外傷】
- 運動をくり返すことによって骨、関節、靭帯が徐々に損傷してゆくもの。
メディカルチェック
スポーツ損傷の突発的外傷は避けがたいが過負荷障害(overuse)は指導によって避けられる。
スポーツ損傷をできるだけ避けるには日常的なメディカルチェックが重要で個々の身体特性、競技の特性にそって指導が大切。
しかし、現在、その制度が日本では浸透しきれていない。
頚髄損傷
バーナー症候群
側屈強制され腕神経が牽引される
ラクビー、アメフトなどで起こる
頚から肩、手にかけて電撃痛(針をさす灼ける)
一過性
頚椎捻挫
追突事故に見られる
痛みと運動制限
頚椎の過伸展損傷が多く、レスリング、飛び込み、スクラムなどで起こる
黄靭帯、棘間靭帯、周囲筋の急性炎症を起こす(時に断裂)
レントゲン異常なしで神経根症状の有無が問題
安静、装具
腰部打撲、捻挫
腰仙部の筋肉、筋膜、腱、靭帯の損傷や炎症によって起こる。
スポーツにより急性、慢性の腰痛は捻挫や打撲が多い。
運動痛、圧痛、運動制限が主。
上.下前腸骨棘剥離骨折
股関節、ソケイ部に痛みと歩行困難、運動制限がくる。
上前腸骨筋の縫工筋、大腿筋膜張筋、下前腸棘では大腿直筋の付着部が急激な運動によって剥離骨折を起こす。
安静、免荷。
肉離れ
大腿部、腓腹筋に多い。
ダッシュやジャンプで起こる。
筋膜、筋繊維の一部断裂が多い。
RICE療法、テーピング、ギプス。
MRI, エコー検査。
筋力強化、ストレッチで予防。
筋断裂
肉離れ。
局所にへこみ。
サッカー、陸上競技に多くみられる。
筋腹、筋腱移行部。
大腿四頭筋、ハムストリング、内転筋、下腿三頭筋など。
野球肩
上腕二頭筋腱長頭が上腕骨の大結節と小結節の骨の溝を覆う靭帯の間で挟み込まれて炎症を起こす。
野球肩は投球のやり過ぎや年令的要素で、肩峰、烏口肩峰靭帯との間で肩旋回筋腱板が摩擦されて炎症を起こす。
成長期の過度な回数の多い投球は避ける。
野球肘
投げ過ぎによって肘の局所に負担が集中する為に起こる。
内側:内上果、内側側副靭帯損傷を(張力、牽引力)。
外側:離断性骨軟骨炎→遊離体。
少年期では発育障害。
運動量の減少を。
テニス肘
肘外側に圧痛。
上腕骨外側上果炎。
短撓骨手根伸筋腱の付着部で炎症を起こす。
アイシング、ストレッチなど。
タナ障害
膝全面に痛み。
ひっかかり感。
膝蓋骨と大腿骨の間に滑膜が増殖してひっかかり、鎌状になる。
関節鏡で切除。
下腿コンパートメント症候群
圧痛、知覚異常、しびれ、冷感。
打撲による内出血や走り過ぎによる炎症で下腿の筋、神経、血管の通る区画(コンパートメント)に腫脹をきたす。
内圧の測定
重症は筋膜切開
ジャンパー膝
バスケット、バレーなどジャンプするスポーツに多くみられる。
くり返すジャンプで大腿四頭筋の膝蓋骨の腱付着部にストレスがかかり炎症をおこす。
オスグットも一種。
障害の悪循環
スポーツ復帰のメド
復帰は外傷の種類、内容、重症度、年令によってことなるが選手の治療態度、意欲が大きく影響する。
素人療法は後遺症を残す危険が伴う。
復帰の時期
筋力が正常の80%に回復
ROMが75%(競技により異なる)に回復。
自発痛、圧痛の消失、運動痛の軽減、
炎症、腫脹の消失、運動制限の軽減、筋力の回復、など。