肘の痛み
正しいケアで、スポーツを楽しみましょう!
肘には、手指・手首を動かす筋肉が付着していて、動かすことにより筋肉の付着部には引っ張られる力が加わります。 肘の内側の内側上顆に炎症が起こり痛みなどの症状が出るものを「テニス肘」、肘の外側の外側上顆に炎症が起こり痛みなどの症状が出るものを「野球肘」と言います。
テニス肘
テニスのストロークを繰り返し行ったことで肘が痛くなる障害で、ボールがラケットに当たる時の衝撃が手首を動かす筋肉の肘への付着部に繰り返し加わることによって、微小断裂や損傷を来し発生するものと考えられます。
テニス肘には、肘の外側に付着した腱が損傷を負い、痛みが出るバックハンド・テニス肘(上腕骨外上顆炎)と、手関節が急激に掌側に屈曲して前腕屈筋群に力が加わり、肘の内側に付着した腱が損傷を負い、 痛みが出るフォアハンド・テニス肘(上腕骨内上顆炎)とがあります
手首の関節を背屈(手のひらを下に向け、上に反らせる)させると、肘の外側の隆起に痛みがおこります。ドアのノブを回す・雑巾を絞るなどの動作を行うと痛みが強くなります。これがテニス肘の特徴です。押すと痛む部位が肘に存在することもあります。
テニス肘の施術
安静を保つために肘にテーピング・サポーターをし、運動を控えます。 最初の数日は肘のアイシングを行ない、そのあと温湿布に切り替えます。痛みがとれたら肘のストレッチを開始し、筋肉を緩めていきます。 テニス肘は治りやすく、施術に手術が必要になるようなことはめったにありません。
野球肘
成長期にボールを投げすぎることによって生じる肘の障害を野球肘といいます。
繰り返しボールを投げることによって肘への負荷が過剰となることが原因です。
肘の外側で骨同士がぶつかって、骨・軟骨が剥がれたり痛んだりします。肘の内側では靱帯・腱・軟骨が、肘の後方では骨・軟骨が痛みます。
投球時や投球後に痛みが出る事が多く、肘の伸びや曲がりが悪くなり、急に動かせなくなることもあります。
野球肘の施術
投球の中止が重要で、肘の安静が大切です。痛みを我慢して投球を続けていると障害が悪化して骨変形を起こし、症状によっては手術が必要になることもあります。 手術には、骨に穴をあける方法、骨を釘のようにして移植する方法、肋軟骨や膝の軟骨を移植する方法などがあります。
肘内障
よく肘が抜けたと言われるものが、この病気です。
2、3歳の幼児で、急に手を強く引っ張ったときに、突然痛がって泣きだし腕をだらりと下げて動かさず、まったく手を使おうとしません。特に、腕を上げる動作を嫌がり、誰かが手を持ち上げようとすると強く泣きます。
これは、前腕(肘から手首までの部分)の親指側にある橈骨(とうこつ)という骨の骨頭(先端の膨らんだ部分)が、骨を安定させている肘の輪状靱帯(りんじょうじんたい)からはずれかかって、輪状靱帯が肘の関節内に一部分入り込むためで、本当の脱臼ではありません。手をだらりと下げているので、肩が脱臼していると間違われることもあります。
肘内障の施術
骨折していないかをよく確認してから、整復を行ないます。親指で橈骨の骨頭を前方から押さえ込み、肘関節を90度に曲げると同時に、手のひらが上に向くようにねじると、コツッという音とともに肘がもとの状態にもどります。整復されると、幼児などは急に手を動かすようになります。
ただし、肘内障がおこってから時間がたつと、整復しにくくなることが多いものです。予防としては、お母さんなどが、子どもの手を急に強く引っ張らないように注意することも大切です。
鍼灸での施術
原因となる筋肉の緊張緩和・疲労回復を目的に刺鍼します。 原因となる筋肉だけでなく腕全体の筋肉を緩める事により、筋肉付着部の負担を軽減し血流を良くすることにより改善を促していきます。 急激に起こった痛みの場合はアイシングを行い、運動などは中断し安静を保つ事が大切です。
肘の痛み施術の主なツボ
曲池(きょくち) | 肘を曲げたときにできる横じわの外側の端に位置します。 |
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手三里(てさんり) | 曲池から指2本分下に位置します。 |
温溜(おんる) | 曲池と手首の横じわを結んだ中間に位置します。 |
少海(しょうかい) | 肘を曲げたときにできる横じわの内側の端に位置します。 |
外関(がいかん) | 手の甲側。手首の横じわ中央から指3本分上に位置します。 |
当院独自のオーダーメイド施術
当院では、マッサージ、整骨、鍼灸、カイロプラクティックを組み合わせた全身調整を推奨しておりますが、患者様の症状に合う最適な施術法を相談しながらご提案していきます。