脊髄小脳変性症(SCD)
人間の脳と脊髄には100億個ともいわれる多数の神経細胞があり、相互に連絡しあってネットワークを形成しています。この神経細胞が外傷などのあきらかな原因がなく徐々に変性破壊され様々な障害をおこす病気を神経変性疾患といいます。
脊髄小脳変性症は、主に脊髄や小脳、脳幹が障害されることを特徴とする神経変性疾患です。
脊髄小脳変性症とは運動失調を主症状とし、小脳または脊髄(神経伝達部含む)の変性を主な病変とするものの総称です。 病変がどこにあるかによって特徴のある症状があらわれ、主に中高年で発症し、徐々にしんこうしていきます。 詳細まで診断を受けていれば、予約時にお知らせください。
主要な疾患
- リーブ橋小脳萎縮症( OPCA ) その81%
・ Shy‐Drager (シャイ・ドレーガー)症候群( SDS ) 16%
・ 線条体黒質萎縮症 3% - 晩発制小脳皮質萎縮症
- Holmes (ホルムズ)型遺伝性運動失調症
- 遺伝性皮質性小脳萎縮症
- 家族性痙性対麻痺
- 歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症
- Friedreich (フリードライヒ)病
- Joseph (ジョセフ)病
病状の特徴
10万人に1人の割合で発症する、いわゆる難病疾患です。
- 繊維束性攣縮の出現
(四肢の筋肉の一部がピクピクする、舌の表面が痙攣し、小さく波を打つように見える) - 中年以降の発症が多い
- 発症は緩やかだが、経過は進行性である
個人差はありますが、2~3年の経過で急速に筋力低下と筋萎縮が進行し、球麻痺(嚥下障害、無声、舌の萎縮)、呼吸筋麻痺になります。
小脳性失調は以下のような症状が現れる
- 起立歩行障害
- 共同運動不能
- 筋トーヌス低下
- 測定障害
- 運動分解
- 変換運動障害
- 小脳性振戦 ( 企図 )
- 言語障害
- 眼振
- 排尿障害
SCD の特徴
- 進行性である(ALS などよりは進行が遅い )
- 失調症状が主体。タイプによってはパーキンソン症状も出現する
・移動に関してはバランス障害が主体
・片麻痺のような、いわゆる健側はない。全身症状である - 種々の随伴症状が出現
- 40 ~ 60 代の社会的責任の大きい時期に発症
- 西洋医学的には効果的な治療法がなく、機能障害の改善がほとんどない
当院の鍼灸治療
東洋医学的な考察では変性は経絡でいう肝の病態とし、肝とは全身の循環・血流を支配しています。そこにアプローチをかけ、経過を観察します。( 完治とはいかないまでも症状の安定、寛解を目標とする。 )
初期であれば効果的ですが、進行していると施術が難しく困難を極めます。
また、合併してでてくる症状にも気をかけ施術していく必要があります。
注意していただきたい点としては、専門的な施術をしているところ以外で診察を受けるのは危険であるということです。
また、無理をして治療しようとすると悪化させてしまう可能性があるので、施術を受ける側も神経内科や専門医を受診していただきたいということです。
当院独自のオーダーメイド施術
当院では、マッサージ、整骨、鍼灸、カイロプラクティックを組み合わせた全身調整を推奨しておりますが、患者様の症状に合う最適な施術法を相談しながらご提案していきます。